鉄道用クッション材新基準への道 前編 ~ウレタンから硬綿へ~

2011-02-11 12:00:37

『クイズ、100人に聞きました』

成人男女100人にお聞きします。「首都圏を走る電車の座席用クッション材として、新型車両向けに今一番使用されているクッション素材は?」

新型新幹線N700グリーン車

一般の方には見当もつかない質問だと思います。恐らく、5~6割が「ウレタン」と答え、3~4割が「わからない」とし、1%くらいの鉄ちゃんが正解を知っているというところではないでしょうか?

そして正解は、ポリエステル硬綿(硬綿)とブレスエアーの複合品です。

大量生産に向いており、価格が安価なウレタンが、14~5年前までは鉄道座席用クッション材の主流でした。一方、ウレタンはリサイクル面で問題があり、環境対応に大きな課題を残す素材です。90年代は今ほど環境対応が厳しく問われておりませんでしたが、徐々に環境対応素材への移行がが始まっていました。

そして、その流れを決定付けたのが、10年ほど前に発生した、韓国での地下鉄火災。その事故で多くの方が亡くなられたので、覚えている方も多いでしょう。実はこの火災で多くの犠牲者が出た主因の一つが、座席のウレタンが燃えて発生した有毒ガス(シアンガス)によるものと言われています。

鉄道は民営会社による経営とはいえ、公共性が非常に高いので、環境面と安全面では細心の注意を払う必要があります。この事故を契機に、日本の地下鉄に使用されている車両及び大都市圏の通勤車両用座席に使用する素材が、一気にウレタンから硬綿へと移行しました。

コスト面と乗り心地ではウレタンが勝るものの、環境面と安全面では大きく優れる硬綿が、通勤電車用座席素材としての新基準です。特に、地下鉄や地下鉄への乗り入れがある大都市圏の通勤車両では、安全面からウレタンを座席用に使用することが殆どなくなりました。(注釈:特急車両では乗り心地の問題から、ウレタンから硬綿への移行は殆ど進んでおりません。)

一方、ポリエステル綿(硬綿)単体の座席には、ウレタン座席では問題視されていなかった課題が新たに出てきました。乗り心地と耐久性の問題です。ポリエステル綿(硬綿)という用語は、一般の方には余り馴染みがないと思います。昔ながらの敷布団や座布団の中芯に使用されているのが、ポリエステル綿です。最初はふかふかしていた敷布団が、しばらくするとペチャンコになり、俗に言う「せんべい布団」になったご経験をお持ちの方もおられるでしょう。ポリエステル綿のクッション材は、「ヘタリやすい」という弱点があるのです。

大都市圏の鉄道座席をイメージして頂いたらお分かりになると思いますが、早朝から深夜まで一年365日、不特定多数の乗客が常時座席に座っています。一日8時間勤務の寝具やオフィスチェア用芯材と違い、毎日20時間の過酷な勤務体系。土日もバケーションもない、高度成長期のモーレツサラリーマン並みの働きぶりです。そんな環境でも、数年でヘタってしまう訳にはいきません。

そんな過酷な労働環境下、素材性質上ヘタリやすいポリエステル綿の耐久性を高めるにはどうすればよいか?それには、クッション性(=乗り心地)を犠牲にし、綿の硬度を高めることで、耐久性を持たせるしかありません。従来のポリエステル綿に比べ、クッション性と耐久性を同時に高めた綿の開発も進んだものの、綿としての限界があります。ウレタンレベルのクッション性と耐久性を両立するには、綿単体では到底成し得ません。かといって、ウレタン主流の昔に戻ることも出来ない中、鉄道座席用素材の過渡期を2000年代中盤に迎えました。

~後編へ続く~

鉄道用クッション材新基準への道 後編 ~世界へはばたくブレスエアー~

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